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【PICK UP! 農業ニュース!】3月1日(月)〜3月7日(日)
3月1日(月)〜3月7日(日)の期間に日本農業新聞の公式Webサイトに掲載されたニュースです。
- 農業に興味はあるけど、難しそうだと思っている
- 農業に従事しているが、全てをチェックする余裕がない
こういった方に向けて、私が「重要だ」「面白い!」と思った記事のみをピックアップして紹介していく毎週日曜更新のニュース記事です。
ブドウ収穫量 最低 20年産 5%減、16万トンに
2020年産のブドウの収穫量が16万3400トンとなり、前年産より9300トン(5%)減ったことが農水省の調査で分かりました。
これは、1973年の統計開始以降、最も少なく、主産地の山梨県や岡山県での天候不順などが響いたものと考えられています。
収穫量は13年産から8年連続で減少。
農家の高齢化などで、生産基盤の弱体化に歯止めがかかっていません。
同省は、昨年改定した果樹農業振興基本方針で、ブドウを含む果樹の生産基盤強化に向け、生産性の向上が見込める省力樹形の導入を推進する方針を掲げました。
2021年03月01日
省力樹形とは?
日本の果樹栽培の課題である①担い手の高齢化や後継者不足②急傾斜地に園地が多い③規模拡大が生産性向上に繋がらない技術構造、などを解決するために、作業の省力化による労働時間の短縮や軽労化による労働負荷の軽減を目指して開発された樹形栽培のこと。
ブドウでは、遮根シート等を用いて樹の成長に合わせた養水分管理を行う根圏制御栽培や複数樹を直線状の集合樹に仕立てるジョイント栽培などがある。
[新型コロナ] 「食料安保に関心」6割 “国産派”も増 コロナで高まる 全中調査
新型コロナウイルス禍を経て、国民の約6割が食料安全保障に関心を持っていることがJA全中の調査で分かりました。
食料安全保障に関心を持つ人の割合は、女性で特に高く、年代別に見ると、以前から関心が高い人の割合は男女とも高い年代ほど上昇する傾向にありました。
2021年03月02日
1月農産物輸出40%増 家庭向け好調 過去10年で最高
2021年の農林水産物・食品の輸出は好調な滑り出しとなりました。
農水省がまとめた1月の輸出額は前年同月より40%増の758億円で、1月としては過去10年で最高でした。
前年からの伸びが特に大きいのは、リンゴで185%増の40億円。最大の輸出先の台湾では、春節向けの需要がピークを迎えました。
その他、牛肉、豚肉、鶏卵など畜産物も軒並み好調でアジア向けが伸びました。
緑茶も25%増の14億円と勢いがあります。担当者は「緑茶のおいしさや効能が認知されて、繰り返し購入する人が増えている」と話します。
政府は30年に農林水産物・食品の輸出額を5兆円にする目標を掲げています。海外のニーズや規制に対応し、輸出向けに生産する輸出産地を選定して、支援しています。
2021年03月03日
日本型アニマルウェルフェア開発へ 集まれ“応援団” 鶏肉販売始める 信州大農学部
信州大学農学部(長野県南箕輪村)は3日、アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼育管理)の飼育施設で育てた鶏肉の販売を始めました。研究の一環で飼育した肉用鶏を販売することで、消費者へのアニマルウェルフェアの認知度向上につなげる考えです。
同学部では2020年7月に、アニマルウェルフェアに対応した研究用鶏舎を完成させ、以下のような環境で飼育しました。
- 日本の一般的な飼育数の15〜16羽/m2より少ない11羽/m2で飼育し、飼育密度を下げる
- 鶏舎内で終日照明を点灯させずに、1日2時間連続で照明を消すなどしてストレスを軽減させる
研究に取り組む竹田謙一准教授は「販売を通じて、消費者がアニマルウェルフェアの考え方を知り、応援団になってもらいたい」と説明します。
2021年03月04日
20年産米食味ランキング 特A 3年連続50超 競争激化、有利販売が鍵
日本穀物検定協会(穀検)は4日、2020年産米の食味ランキングを発表しました。
最高位の「特A」に格付けされた産地銘柄数は53となり、3年連続で50を超えました。
新型コロナウイルス下で家庭用米の販売競争が激しさを増す中、特A取得を有利販売につなげられるかが焦点です。
良質米の生産拡大と消費拡大を目的に始まった食味ランキングは、1989年から最高位「特A」を設けています。
競争の高まりとともに出品数は年々増加。
今年、存在感を示したのは高温耐性品種。
産地間や新旧品種の勢力争いは年々活発化しています。
新型コロナウイルス禍で家庭内消費が高まっているものの、消費者の低価格志向もあり、ブランド米市場の販売環境は厳しくなってきています。
2021年03月05日
有機農業 50年に100万ヘクタール 新戦略中間案 環境負荷軽減へ 農水省
農水省は5日、環境負荷の軽減と農業生産力向上の両立を目指す中長期的な政策方針「みどりの食料システム戦略」の中間取りまとめ案を公表しました。
2050年までに
- 化学農薬の使用量半減
- 化学肥料の使用量3割減
- 有機農業を全農地の25%に拡大
といった意欲的な数値目標を提示。技術革新や農家・消費者らの理解などを前提とし、生産体系を大きく転換する方針を打ち出しました。
上記の内容を推進し、有機農業の面積は17年の2万3500ヘクタールから、50年に全耕地面積の25%に当たる100万ヘクタールに広げます。
また、農林水産業での二酸化炭素の排出量は50年までに実質ゼロにします。
同省は今後、技術開発・普及の工程表も盛り込み、5月に戦略をまとめ、国際的なルールへの反映も目指して、今年9月の国連食料システムサミットなどで打ち出す考えです。
2021年03月06日
東日本大震災から10年 農業産出額 被災3県増加傾向 福島は水準戻らず
東日本大震災からの復興に向けた懸命の努力で、被災3県の農業産出額はいずれも増加傾向にあります。
しかし、福島県だけは震災前の水準に戻っていません。岩手、宮城の両県が震災前を2割近く上回るのとは対照的です。
産出額が回復しない要因の一つは、東京電力福島第1原子力発電所事故で避難を強いられた12市町村の営農再開率が約3割にとどまることです。
調査では、この12市町村で営農再開の意向がないか未定の農家のうち、所有する農地を貸し出してもいいと考えている人が約7割。農水省は、営農再開の加速に向け、こうした農地を集めて担い手にマッチング(結び付け)することが重要だと指摘。4月に施行する改正福島特措法で、これを後押しします。
同法は、市町村が行っている農地中間管理機構(農地集積バンク)を通じた農地集積の計画作成などを、福島県もできるようにしました。
福島県では、風評被害も大きな課題のままとなっています。
2021年03月07日
農地中間管理機構(農地集積バンク):通称農地バンク。貸したい農地保有者と借りたい就農者を結びつけるだけでなく、日本の農地の課題である、細分化され、個人間では権利問題などが扱いづらい土地の集積なども担う。
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