【生存報告】実は地獄にいたのですが脱出したのでご報告

せシうだ
こんにちわ、せシうだ(@seshiuda6162)です。

(記事を読み始める前にこちらをどうぞ)

前回の更新からまたも時間が経ってしまいました。。。

岩手を出て山梨で再スタートを切るはずが、大変なことになりまして(笑)、、、
笑い話にしてるんですが、悪夢のような異常な経験をして、やっと、やっっっっと本当の再スタートを切ろうとしています。

期間にすると2ヶ月ちょっとなんですが、まあとにかく濃いので、記しておきます。それと、精神的にかなりパニックになっていた時期のことなので文章が他記事以上に読みづらいかも、、、ごめんなさい。。。

目次

波乱の始まり、研修期間

ホースセラピーを学ぶためにTグループの研修生に

なかほら牧場を退職して、私が働くことになったのはTグループというホースセラピーを実施する団体でした。

私は研修生という立場だったのですが、社会的には無職であり、以下のような過ごし方をしていました。

  • 各地にある、Tグループが管理する牧場に研修生として送り込まれる
  • 馬と暮らしたり、そこに訪れる人と関わる中でホースセラピーを学ぶ
  • 食事や住まいについては保証される
  • 給料はなし

かなり特殊な団体で、日本の馬業界の主流である競馬や馬術とは一線を画していました。

そのTグループが関わって新たに開設されるのが、私が暮らすことになる山梨のB牧場でした。

B牧場は、”馬とは全く関係ないとある会社”が慈善事業で始めようとしている牧場で、これまた珍しいところでした。
元々は、農業で自給自足型の生活をするために始めた事業だそうですが、Tグループの代表と出会い、意気投合した結果、「馬×農業でいこう!」となったそうです。だんだんわかってきましたが、相当見切り発車です…。

当然ながらその会社は馬に関する事業は全く初めてです。
そこで、ある程度馬の扱いに慣れていて、同じ志を持つ人をスタッフとして探していたところ、ちょうど研修生としてTグループ門下に入った私がその条件にぴったり当てはまったのです。

そうして私は、Tグループの独特の方針などをほとんど理解しないままB牧場に送り込まれたのでした。

2週間滞在するはずだったのに30時間で終わった埼玉

B牧場に人が住めるようになるまで2週間ほどあったので、少しでもTグループのやり方を学んだ方がいいだろうと、私は埼玉の牧場に出張研修に行くことになりました。

埼玉の牧場はとてもいいところにありました。

が、、、、結果的に滞在時間は30時間ほどになりました…。

牧場長もいい人で、馬車をひく体験なんかもできて、本当にある一点を除いては素晴らしい場所でした。ただ、その一点がお縄頂戴レベルのことだったので………残念ながら去ることになりました。ここではこれしか書けません…。

埼玉の牧場にいた天使な山羊の赤ちゃん

なぜか馬術で成長できた島根、そして感じた違和感

初っ端から埼玉でとんでもない目にあった私は、研修先をTグループの本拠地でもある島根の牧場に移しました。

島根の牧場は、心や体に問題を抱える子どもたち(ケアされる側)と私のような大人の研修生(ケアする側、もしくはケアを学んでいる側)が合わせて20名ほどで集団生活をしている場所でした。

子どもたちに主導権があり、ときにそれはわがままのレベルを超えているように思えましたが、「大人というストッパーがなく、馬に囲まれた環境で過ごすと人はこういう成長をするんだ」というのが見えて、勉強にはなりました。人の成長過程を知るというのは、あらゆる意味で貴重な経験です。

牧場一の凸凹コンビ

余談ですが、馬術にしっかり取り組んでいる牧場だったので、私も何度か練習をさせてもらいました。
そして自分でもびっくりしたのですが、思いがけず良い練習ができ、馬乗りとして一段階レベルを上げることができました。学生の頃に何度やっても掴めなかった感覚が「あ!わかった!」と突然降ってきて本当にびっくりしました。(笑)

ただ一つだけ、明らかな違和感を感じたことがありました。
それは、埼玉で起こった事件のことを全員の前で面白おかしく話題にされたことです。

これには傷つくよりも先に、唖然としました。
ホースセラピーに取り組んでいて、人の心により真摯に向き合わなければいけないはずの場所で、私の心がこんなに無遠慮に踏み荒らされていくことに失望しました。

後々聞いたことですが、Tグループでは余程のことでない限り、思っていることや考えを伝えなければいけないそうで、例え本人が口にしたくないと思っていても気持ちを隠すことは「隠蔽」として扱われるそうです。隠蔽という言葉は、悪いことをした人がその事実を故意に覆い隠すことだと思っていましたが、Tグループでは何も悪いことをしていない人にでもその言葉が使われていました。

色んな考え方があるでしょうが、本人の同意なく、他人から勝手にベールを剥がされるのは侵害行為だと私は思います。

ただ、特殊な世界ではありましたが、これから私はこういう世界を知ろうとしているのだから怯まず飛び込んでみるべきだと、そのときはそう思ってしまいました。

思想まで制限された山梨での生活

埼玉、島根での研修生活を終え、6月中旬から私の山梨での牧場ライフが始まりました。

山梨の牧場では、住み込み女性社員の「Yさん」、週に数日滞在する「社長」、近くの別荘に住む「社長のお母さん」と主に関わっていました。

何も知らない頃は、「農業×馬のお仕事なんて私がやりたいことそのものだ!」とワクワクしていました。しかもオープニングスタッフとしてスタート段階から関われるのです。

けれど、よくよく紐解いていくと、社長たちがやりたいのは、良く言えば教育、言葉を選ばずに言ってしまえば洗脳でした。

社長たちの異常な思考は上げ始めたらキリがないのですが、例えば

  • コロナは支配者層の陰謀論だからワクチンを打ったら数年後に死ぬ
  • ワクチンを打った人間の呼気には悪いものが含まれているから摂取者に近づいてはいけない
  • 支配者層は世界の人口を減らすために、飛行機雲に毒素を混ぜて振りまいている(ケムトレイル陰謀論)
  • 電子レンジやコンセント、Wi-Fiルーターから発する電磁波によって人々の中に微量の毒素が徐々に溜まっていくので電子機器は極力使わない
  • 病院に行ったり、予防接種を受けたら殺される

こういった思想は一般の人たちには理解されないので、牧場という空間を通して一種の”異界”を作ろうというのが、つまるところの目的でした。

俄には信じがたいと思いつつも、私よりはるかに社会経験が多い人たちなので、「よくわからないけど意識が高い人たちなんだなあ」くらいの感想にとどめていましたが、その思想は住み込みで暮らしている私にどんどん侵食してくるようになります。

マスクをせずに外食を繰り返す、消毒をお願いしてくる店員さんに「俺たちを殺す気か」と怒鳴りつける、ワクチンを打ったらいけないと周囲に呼びかける、有機食材にこだわりすぎていて好きな物も食べられない、なのに外食を繰り返して贅沢三昧……

24時間何をしていても自由がなく、行動も思考も制限される….
これが想像以上にしんどいことで、ここで過ごしていた間のことが今でもトラウマです…。離れてからしばらくしても、まだそこにいるような錯覚に陥ったり、夢に出てきたり、牧場のあった辺りに近づくのが怖くなったり、社長たちが乗っていたのと同じ黒のアウディを見たら体が竦むようになったり。。。

彼らの行動は、例えるならオウム真理教のような、、、??
特殊な考え方を頭に植え付けていき、そこから外れようとすればその人を責める。世の中を変えたいなど一見正義のようなことを言っているけれど結局は自分たちに都合のいい世界にしたいだけ、、、みたいな。

私も最初は、自分が世間知らずの未熟者だから理解できないのかもしれないと思って信じようとしていました。ですが、あまりにも自分の理解の範疇を超えていたり、極端な思考に走るときの彼らの冷酷さにだんだんと違和感を感じるようになります。

それでもそこに居続けようとしたのは、馬たちがいたからです。

馬たちの飼育に関することはほとんど私に一任されていたので、どんなに居心地が悪くてもここからは逃げ出せない。これは私にとっての試練で、ここから逃げずに頑張ることが結果的に自分の成長にも繋がると思って、2ヶ月間堪え続けました。

夜(昼?)逃げ同然の逃亡劇

でも牧場を出た今、逃げるという決断は絶対的に正しかったと思います。
自分の心がおかしいのに気づける段階で逃げられて本当に良かったです。

私が辞める決断したのは、社長たちが東京にいて私が一人で牧場をまわしていたときでした。

ルーティーンの仕事はもちろん、普段は社長たちの過ごし方に合わせるせいで進めづらい放牧地の管理や関係者への対応もやって、誰も見ていないところでもせっせせっせと仕事をしていたのに、の愛情が足りないだの、贅沢をしているだのと電話がきて心の糸がプツンと切れました。

つきっきりになることだけが愛情じゃない。
早く馬たちに良い環境を整えてあげるために誰もやらない放牧地の手入れや草刈りを私一人でしているのに、贅沢どころかプライベートも自分の意思も抑え込んで必死で牧場の完成に貢献しているのに、社長たちが思う愛情表現と違うことをしていたらそれは愛じゃないと言い出す。

彼らの全てが上っ面で説得力がありませんでした。当然信頼もできませんでした。

今まで馬と縁遠い世界で生きてきた彼らには見えている世界が違うのでしょうが、その他のことでストレスが降り積もっていたところに、私が一番大切にしているものを土足で踏みにじられてこれ以上は無理だと悟りました。

イエッカ母さんに初めての削蹄

すぐに出ていけるとは思っていませんでしたが、母にこれまでのことを全て話したところ、今すぐこっちに来なさいと言ってくれて、離れて暮らす父にも私を牧場から連れ出すために連絡を取ってくれて(結局は自分で出て行けたのですが)、社長たちが東京から戻ってくる日に出発することになりました。

私が辞めると伝えた瞬間からYさんは態度が一変し、2日の間だけでもひどいやりとりが何度かあって、最終的にはほぼ夜(昼?)逃げのような状態で出てきました。

出発当日。
午前中の馬の手入れを超特急で済ませて、3時間で部屋の荷物を全て車に押し込み、社長たちが昼食に出ている間にでていけと言われ、文字通り逃げてきました。

最後の仕事は馬たちに昼餌をあげることでした。
辛抱強いお母さん馬のイエッカ、やんちゃ盛りで人が大好きな子馬のウチャ、利口で丸々ボディがかわいいムギ姐さん、ぼーっとしているけれど姐さんが大好きなテト。2ヶ月だけでしたが、濃いドラマをたくさん見せてくれた彼らには感謝しかありません。本来は馬主である社長たちを立てるべきですが、私は4頭にだけ頭を下げて牧場を出ていきました。

最後の挨拶をしたときのテト君

長野に戻って取り戻した心の安定

牧場の最寄りの長坂インターから高速道路に乗ったときは本当に安心しました。

もう会わなくていいとわかっているのに恐怖で涙が止まらなくて、でもあんな人たちに飼われている馬を見捨てることが申し訳なくて。

牧場を出た私は、長野に移り住んでいた母の家に身を寄せることになりました。

しばらく人生の夏休みだと思ってゆっくりとした時間を過ごしていたら、山梨での生活がどれだけ異常だったか理解できるようになってきました。ただやっぱり馬たちのことが思い出されるのでどうしようもない感情がぐるぐるとしていました。

家の前を通っている大糸線。窓からの景色がすごく素敵なのが自慢です。

ガッツリ農業をやっています!

さあ、、、、やっと現実に戻ってきました。(笑)
今です。

9月1日から、とある会社でガッツリ農業をやっています。

考えてはやめて…新しい生活に目を向けて…を繰り返し、新しい職場で働き始めたらやっと少し「今」に目を向けられるようになりました。

馬と関わっていきたい気持ちは捨てていませんし諦めてもいませんが、このブログのテーマにもあるように私は「馬」と「農業」を極めていきたいと思っているので、今は農業をやれるところまでやってみようと思います。
(長野は私が馬と出会った場所ですし、訪ねたいと思っているところもたくさんあるので、岩手にいた頃のように仕事以外の時間を有効に使っていくつもりです!)

そして、仕事を探す上で直感で嫌なところは候補から外しました。

「(なんか嫌な人そうだけど)話しているうちに仲良くできるかもしれないから頑張ろう」とか「(場所の雰囲気が少し好きじゃないけど)条件がいいからここにしよう」とか、入っていない時点で気になっていることに目をつぶるのはやめました。それで痛い目にあってますしね(笑)

ということで、やっと本当の再スタートを切りました。

まだ1週間ほどしか経っていませんが、転職ガチャは当てたと思います。(笑)
給料が特別高い訳でも、みんなの憧れの職業でもないけれど、私は農業ってかっこいいと思っているし、「自分がなりたい自分像」に向けて必要なスキルを着実に身につけられているので大満足です。毎日かなりの運動量で体力は消耗しますが、働く喜びを感じられて幸せです。

休憩時の一枚。とにかく大好きな土地!

余談ですが、この間、山梨で唯一私の味方をしてくれていた社長のお母さんに電話をしてみました。
私の現状を心配してくれて、また会おうと言ってくれて嬉しかったです。馬たちもなんとか元気にやっているそうです。

ストレスを吐き出せない私の心情を察してたくさんお話をしてくださったり、食べる物が色々と制限されていた中でこっそり美味しいものを作ってくださったり、私の仕事ぶりも誰よりも見てくださっていて、お母さんは山梨で唯一出会って良かったと思えた人でした。

いつか本当に再会できる日がくるといいなあ、、、

以上、色々ありましたが(しかも余計に心配かけたかもしれませんが笑)今、私は元気にやってます報告2021でした!

また少しずつブログ更新していきます。今後ともよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

はじめまして、管理人のせシうだです。
好きなことは馬と農業です。

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