【下北半島観光】寒立馬の放牧が見られる尻屋崎ってどんなところ??【レポ】

せシうだ
こんにちわ、せシうだ(@seshiuda6162)です。

(記事を読み始める前にこちらをどうぞ)

本州の北の端、青森県下北半島の尻屋崎というところで、半野生の大きな馬たちが暮らしているのをご存知でしょうか?

下北半島は、

  • 日本三大霊場の一つである恐山(おそれざん)
  • マグロの一本釣りで有名な大間
  • 海上自衛隊の大湊基地
  • 河童伝説も残る薬研(やげん)温泉

など、全国的にはあまり知られていないかもしれませんが、見どころ満載の観光地がたくさんある土地です。

そんな下北半島の中で、尻屋崎はさらにマイナーな場所。
他の観光地とは方角も違いますし、距離も少し遠くなります。

しかし、そうした条件をふまえても、尻屋崎は行って損しない、どころか大満足できる場所でしょう。

特に、次のような人はおすすめです!

  • 馬が好きな人
  • 自然や動物が好きな人
  • 写真を撮るのが好きな人
  • 人の多い観光地が苦手な人

下北半島は、端から端まで車で2時間もあれば横断できるので、訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください。
むしろ、せっかく下北に訪れてたのに、尻屋崎に寄らないのはもったいなさすぎます!!

当記事は、管理人が実際に尻屋崎を訪れた経験をもとに、レポがてらその魅力をお伝えしていく内容となっています。

まずは、私が尻屋崎で出会った寒立馬たちを写真とともに紹介させてください。

目次

尻屋崎の見どころ

尻屋崎や寒立馬について説明する前に、主観だらけではありますが、その魅力をシンプルにお伝えしようと思います。

おすすめポイント

実際に訪れてしまえば、その光景を見るだけで満足できてしまうので改めて考えたりはしないかもしれませんが、尻屋崎は、観光牧場などに行くのとは全く違う、かなり珍しい条件の揃った場所なのです。

  • そもそも寒立馬を見られる場所が少ない
  • 「半野生」の馬の「群れ」
  • 馬の親子を間近で見ることができる
  • 「海」×「馬」という珍しい光景

こうして言葉にしてみると、競馬好きや乗馬経験者のような馬に馴染みのある人にとっても、なかなか巡り会うことのない
シチュエーションが揃っていることがわかると思います。

寒立馬ギャラリー

海×馬という珍しいシチュエーション
運が良ければ穏やかな寝顔を至近距離で見ることも…
リラックス状態の寒立馬たち
道路にも馬がいます

目の保養ですね〜〜〜
見ているだけで癒されますが、実際にこの光景をみると天国にいるような心地になります。(笑)

それではここからは、管理人のレポを交えながらより詳しく説明していきます。

尻屋崎へのアクセス

車で行く

一番近い街であり、下北半島の中心地でもあるむつ市からは車で約40分。

気持ちのいい一本道(青森県道6号)をひたすらまっすぐ進めば辿り着くことができます。

自然豊かな場所なので、動物が飛び出してくることがありますので、それだけ注意してくださいね!
(管理人が初めて行った時は、正面から避けもせずたぬきが歩いてきて驚きました笑)

バスで行く

むつ市にあるむつターミナルからバスも出ています。

1時間かからずに着きますが、1日に3〜4本しかないので時間をチェックしてから行きましょう。
(時刻表はこちらから)

尻屋崎に放牧されている寒立馬とは

寒立馬がどんな馬か、イメージすら湧かない方もいらっしゃると思うので、大まかに紹介させてください。

外国産馬の体格と在来馬の頑丈さを合わせ持つ最強ハーフ!?

おそらく、初めて見た方は、その大きさとたくましさにびっくりされると思います。
下の写真をご覧ください、、、。

中型乗用車である管理人の愛車インプレッサちゃんが、とても小さく見えます…。
(全然そんなことないんです!荷物をたくさん積める頼もしい相棒なんです!!)

穏やかで優しい子だったので心配する必要はありませんでしたが、馬の蹴りの威力を知っていたので、この光景を見た時は肝が冷えました。(笑)

せシうだ
私が乗っているこのアイコンの子も寒立馬です!

ちなみに、寒立馬には、東北南部地域で栄えた南部馬の血が入っているという説もありますが、この説はあまり信憑性がありません。

南部馬や東北地方の人々と馬の関わりの歴史については、下の記事でじっくり解説しています。

現存する日本の在来馬が、大きいものでも150㎝を上回らないポニーサイズであることを考えると、寒立馬はほとんど外国人のような存在で、実際、洋種ペルシュロンの血が入っています。

しかし、日本の馬の血もたしかに入っていて、この地域に生息した田名部馬という小柄な在来馬と洋種ペルシュロンを交配させた結果生まれたのが、この寒立馬なのです。

そのため、寒さと粗食に耐え、持久力に富むという田名部馬の特徴を受け継ぎ、かつ大きな体格を持っているため、丈夫さという意味ではもしかしたら最強のハーフなのかもしれません。

青森県の天然記念物に

実は、「寒立馬とその生息地」は青森県の天然記念物で、以下のような理由で平成14年11月18日に指定されました。

1.寒立馬は下北の風土と馬産の歴史がつくりあげた歴史的文化遺産

寒立馬は遅くとも藩政時代から自然放牧に順応し、厳冬期の厳しい環境に適応した形質を獲得し、寒立馬独特の野生的風貌と生活力を身につけた。このような歴史的背景と生態的特徴を併せ持つ馬は他に例を見ない。

2.環境に適応した形態的・生態的特徴

寒立馬は、寒冷風雪という環境に適応した体毛を生じている。また、蹄は底面積が広く、野草地から海岸に至る砂利を往来することによって底にデコボコが生じ、そのことが柔らかい地表面や雪面を歩行する場合、滑り止めの役をしている。

3.環境保持の面で果たす役割

寒立馬の生息地である尻屋崎には、国・県の絶滅危惧種に指定されている「シコタンキンボウゲ」が生育しているが、寒立馬はこれを採食せず、他種の植物を採食することから、他種植物との生存上の競り合いを避けることとなり、シコタンキンボウゲの良好な生存を手助けしている。

「寒立ち」とは、カモシカが冬季に山地の高いところで長時間雪中に立ちつくす様を表す言葉です。

もともとこの名前で呼ばれていたわけではなく、昭和45(1970)年に尻屋小中学校の岩佐勉校長が年始の書き初め会で、次のように詠んだことが始まりと言われています。

東雲に 勇みいななく 寒立馬 筑紫が原の 嵐ものかは

それ以来、「寒立馬(かんだちめ)」として親しまれるようになりました。

放牧地エリア内の様子

夏季は海岸沿いから林地にかけて広範囲に放牧される

尻屋崎の放牧地エリアは、車だと5分もかからずに入り口ゲートから出口ゲートまで走ることができます。
(Googleマップでは20分以上かかるように表示されますが、距離的に考えてそれはありえないので、馬を驚かせないように徐行した場合だと思われます。)

徒歩だと、さすがに時間がかかりますが、景色を楽しみながら歩けばそこまで長く感じないかもしれません。

おそらく一般的には、地図上の「尻屋崎ビジターハウス」横にあるゲート(西側)から入ることになるでしょう。

ゲート内に出入りできるのは、午前8時〜午後4時まで
時間を過ぎるとゲートが上がらなくなるそうなので、うっかり閉じ込められないように気をつけましょう。

尻屋崎ビジターハウス:放牧地エリアに入る目印となる建物

ゲート(西側):料金は必要ないが、徐行で入る

ゲートを入ってすぐ、向かって右側には柵に囲まれた放牧地があります。
時期にもよるでしょうが、関係者の方によると、出産をひかえた母馬などが集められているようでした。
(ちなみに馬は季節繁殖をする生き物なので、春が出産シーズンです。)

少し進むと、右手に駐車場と公衆トイレがあります。
トイレだけの建物にしては大きめです。

公衆トイレと駐車場

そしてさらに進むと、尻屋崎のシンボルでもある灯台が見えてきます。
(ちなみに管理人が訪れた時は、灯台敷地内は新入禁止でした。)

尻屋崎灯台

灯台の向かいには売店があり、お土産を買ったり軽食を食べることができます。

売店

灯台のある辺りがちょうど中間地点です。
そこからさらに進むと、海の向こうに鳥居のある小さな島が見えます。

海岸線が続き、サーファーの方や許可を取って潮干狩りされている方なども見かけました。

そして最後は、西側と同じようなゲートがあります。ここから出る場合も、同じく徐行してください。
(放牧地エリアを通らずにゲート間を行き来することも可能です。)

対面通行の一本道なので、放牧地エリアで迷うことはありえないでしょうが、少しは尻屋崎のことがイメージしやすくなったのではないでしょうか。

冬季は灯台周辺に馬はいない

冬季である1〜3月は、アタカと呼ばれる放牧地(右下の緑色の区域)で毎日を過ごすそうです。

尻屋崎周辺図
出典:下北ナビHP

馬を見ることはできますが、海岸沿いでのんびり放牧されている様子とは違い、一箇所に集められているだけなので、夏季
ほどは見応えがないかもしれません。

ここは注意!楽しく寒立馬を見るために気をつけること

特に料金なども必要とせず、行くだけで十分楽しむことができる尻屋崎ですが、いくつか注意した方がいいことがあります。行ったからこそわかったことをまとめました。

天気が変わりやすい

なんといっても海沿いなので、天候が不安定です。

むつ市とはまた天気が違いますし、なんなら車で数十メートル進むだけで、雨が降ってきたりします。

当記事をここまで読んでいただければお分かりとは思いますが、実際に管理人が尻屋崎を訪れたときも天気は途中でガラッと変わりました。(笑)

天候が悪いときは、時間に余裕があるのなら少し待ってみてもいいかもしれません。

どちらにせよ、せっかく尻屋崎まで行って楽しめないのは残念ですから、晴れ予報が出ていたとしても念のため
レインコートや傘など雨具は持っていくと安心でしょう。

夏でも寒さ対策を!

前述したように、天気が非常に変わりやすい場所です。

晴れていても海風が強く吹いていたりして、夏でも寒さを感じることはあるので、一枚羽織るものなどを持って行くことを強くおすすめします。

履物については、サンダルなどでも問題ありませんが、馬の糞が落ちていたりするので足元には気をつけましょう。

近くにコンビニがありません!

むつ市から車で40分ほどと前述しましたが、むつ市街から尻屋崎までの間にコンビニエンスストアがありません。

実際、管理人は尻屋崎に向かう途中で雨が降ってきて、コンビニで簡易レインコートを買おうと思ったのですが、
なかったのでむつ市街まで引き返すことになりました。

尻屋崎灯台の目の前に売店はありますが、お土産屋さんと軽食屋を兼ねた小さなお店なので、急遽必要になった物が揃うとは限りません。

馬たちの暮らしを妨害しない!

自分が暮らしているところに突然知らない人がやってきて、好き勝手されたら人間だって嫌ですよね。
馬も同じです。

馬たちに自然な姿で過ごしてもらい、お互いに心地よく楽しむためにも以下のことは絶対に守ってください。

  • 馬の背後から近づかない
  • 誕生間もない親子連れ(特に母馬)には近づかない
  • 牡馬(オス)には絶対に近づかない
  • エサを与えない
  • ペット等の動物を敷地内に連れ出さない

常識的なルールですが、馬たちのためだけでなく自分の身を守るという意味でも大事なことなので覚えておきましょう。

馬の親子。お母さん馬が少し怒っています。

ちなみに、上の写真のお母さん馬のように、馬が耳を伏せている時は怒っているということです。
それ以上刺激しないようにしましょう。

絶対に寒立馬に会えるとは限らない!

そして、がっかりさせてしまうかもしれませんが、場合によっては馬にほとんど会えない可能性もあります。

というのも、管理人は以前(7月下旬頃?)にもこの尻屋崎に訪れたことがあるのですが、ちょうどその日は馬たちが予防接種を受ける日で、一箇所に馬を集める必要があったらしく、あまり馬に近づくことができませんでした。

また、馬たちは放牧地内を自由に移動しているので、奥まったところにある林地などにいる場合も見ることはできないです。

基本的にはいつでも見られるはずですが、絶対に馬を見たいのであれば、事前に確認した方がいいでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか??

尻屋崎は、管理人にとって、いつまででもここにいたいと思うような天国でした。
馬好きなら共感してくれること間違いないと確信しています。

ただ馬好きでなくとも、明らかに非日常なのにリラックスできるという極上の体験ができると思います。

言葉や写真では味わえないものを、ぜひ訪れて確かめてみてください!!!

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この記事を書いた人

はじめまして、管理人のせシうだです。
好きなことは馬と農業です。

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