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【徹底大公開】大学馬術部の全て【OGが語る】
2月下旬、寒さは少し落ち着いてきて、受験生の皆さんにとっては最後の追い込みの時期ですね。
さて、そんな受験生の皆さんにとって、入学後にどんな部活やサークルに入るか想像するのが大きなモチベーションになっていることでしょう。
私は、大学では馬術部に所属していました。少数派ではありますが、この記事に辿り着いたということは、あなたも馬術部に興味が湧いているのだと思います。そんなあなたのために、馬術部で4年次に全国大会に出場した私が馬術部のすべてを解剖してみました!ぜひ参考にしてください!
そもそも馬術部ってなにしてるの?
そもそも馬術部ってどんなイメージでしょうか?
かっこいい、お金かかりそう、なんかむずかしそう、よごれるんじゃないの?などなど…
正直に言って全て当たっています。上手く乗れれば見栄えはしますし、お金はかけようと思えばいくらでもかけられますし、よごれない日はまずありません。
とはいえ、具体的にどんなことをしているのかは謎に包まれていますよね。
そこでまずは、活動内容やスケジュールなど基本情報を紹介していきます。最初に注意点ですが、この記事に書いてあることは私の馬術部経験をもとにしていますので、絶対こう!というわけではありません。ご了承ください。
1日のスケジュールを大公開!
ここで、馬術部の1日のスケジュールを公開しようと思います。
一言でいうと、朝が早い!です。予想通りかと思いますが、なぜこうなるかは馬の体の仕組みに関わってきます。
馬は体の大きな動物なので、たくさんの草を食べなければいけません。同じく、体の大きな動物である牛は反芻動物なので、一度にたくさん食べた草を時間がたってから反芻(一度飲みこんだ食物を再び口中にもどし、よくかんでからまた飲みこむこと)することができます。しかし馬は、単胃動物なので食べ貯めるということができません。1日に必要な草を何回かに分けて食べます。なので、馬の食事は1日5回程度に分けられることが理想です。もちろん、3回などが多いですが、細かく、かつ時間をあけて食事を与えることが良しとされるので、朝は早くなります。
私の場合は、練習場が家から遠かったのもあって、朝4時起きでした。
あくまで、私が所属していた大学馬術部のスケジュールですが、参考にしてください。
馬装、馬房掃除、飼料準備
上級生から順に乗る。
馬の手入れ、給餌
平日は授業終了後、バイトや友達との付き合いがありますよね。
これに加えて、土日は馬の餌代を稼ぐためのバイトをすることが多いです。金曜夜入りで他県に車で向かう、なんてことも多かったので、時間的制約を大きく受けることはたしかです。
ちなみに、馬を休ませる休馬(きゅうば)日という日が1週間に一度ありますが、人間は休めません。
作業量は少ないので交代で休むことなどはできますが、部の状況によってはそうでないこともあるでしょう。
ただ、休馬の日は全体的にゆったりとしているので、愛馬とリラックスして過ごすことができます。
1年のスケジュール
こちらも、あくまで私の所属していた馬術部に関することですが、一年を通してどのようなスケジュールで進んでいくのか、気になる方も多いと思いますので参考にしてみてください。
夏:大きな大会が終わり一段落。馬も夏バテするので練習は控えめで、馬バイトは書き入れ時。
秋:全国大会開催。最後まで残っていた上級生も引退。
冬:シーズンオフ。屋内馬場で基礎練習に励む。
ぶっちゃけおいくらですか?
結論から。
初期費用は¥0!
おそらく多くの1年生は、先輩のおさがりや共有の道具などで必要なものをまかなっています。
個人単位で使う道具のために最初から大きな出費を強いられるということは基本的にないはずなので、安心してください。
それでもやっぱりなんやかんやかかるんでしょう?という声が聞こえてきそうです。
はい、かかります(笑)。
何にかかるかというと、馬の維持費や大会参加に関わる諸費用です。
要は、人間と同じです。どこかのアパートを借りて住むとして、家賃や水道代、光熱費などが、特別なことをしなくてもかかってきますよね。それの馬バージョンがもちろんあるわけです。そして、さらに大会に出るとなると、馬の輸送費や入厩代(大会会場に馬を滞在させるための費用)などもかかってきます。
そしてそれらを、ほぼ学生の力でまかないます。
ということで、部費が高いところもあります。5桁くらいいってしまうことも、、、
馬術部によっては、部費がない代わりに、後述する「使役」をたくさん入れることにしているところもあります。
また、厩舎が遠いところだと車で向かうことになる(都心部は別として)ので、ガソリン代といった交通費も馬鹿になりません。
さらに、ある程度上達して、試合に出るようになるとエントリー代が必要となります。
ただ、安心してください。
地方で、家賃等が安かったこともありますが、私は月10万円の親からの仕送りと月2万円ほどのアルバイト代で自分の生活費と馬術部の活動費をまかなえていました。
まとめてみると、
- 部費(〜1万円程度)
- エントリー代(1試合2000〜3000円程度)
といったところでしょうか。馬具を自前で揃えるかどうかは本当に個人次第です。
私の後輩には、4年間ずっと、共有のぼろぼろヘルメットを被り続けて全国大会出場を果たした子もいました。
贅沢な暮らしはできませんが、正直そんなことは一人暮らしのどの大学生にもいえます。貧乏でも楽しむのが大学生の醍醐味の一つだと、私は勝手に思っています(笑)。
もうちょっと細かく
どんな人が入るの?
馬術部に入ってくる人は、どんな人が多いと思いますか?
この記事を読んでいるあなたも、自分のことを分析してみてください。あなたはどんな人でしょうか?
正直にいうと、やはり少し変わった人が多いです(笑)。
- 単純に馬が好きor興味がある人
- 大学では珍しいことに挑戦してみたかった人
- 何らかのきっかけで馬術というスポーツを知った人
- 新歓で声をかけられて初めて知った人
- 友達に誘われた人
などなど…。きっかけは様々です。
馬術に対する熱量も人それぞれ。負けず嫌いで試合で絶対に勝ちたいタイプもいれば、馬とふれあいたいだけなので乗るのは遠慮するよ、というタイプもいます。両者の橋渡しになるような存在も。
いずれにせよ、こういうマイナースポーツに目を向けるということは何かしら思うところがあるのでしょう。バイトや交友関係といった私生活よりも、部活動の中で、充実感を味わいたいという人がほとんどです。
活動が忙しく、何より命を預かる責任が伴うので、意見の衝突が起こることも珍しくありません。
大学では私生活を充実させたいという人にはあまり理解されませんが、馬や部のことを思うからこそ、何度も衝突し、そしてわかりあっていった経験は、私が馬術部時代に得た大きな宝物です。
担当馬制度
たいていの馬術部には、担当馬制度があります。
担当馬以外に関わらないというわけではなく(そういうところもありますが)、その馬で集中的に練習をしたり、体調管理を任せられるということですね。試合に出るのも担当馬であることがほとんどです。
担当馬がいることで、1頭の馬としっかり向き合うことができます。体調管理はもちろん、練習内容も、その子のことを考えて決めていきます。自分の相棒と呼べる存在ができるのは、多くの部員にとって嬉しいことだと思います。
使役ってなに?
馬術部の活動を語る上で切っても切れないことが、通称「使役」と呼ばれる馬バイトです。
使役という言葉があまりいい意味ではないので、最近では「競技補助」という言葉が用いられるようになっていますが、まだまだ使役の方が馬術部界全体では馴染み深いものだと思います。
なんのことかというと、馬の餌代などを調達するために部員がほぼ強制的に参加することになる馬術関連のバイトです。私が考えるに、この使役に耐えられるかどうかが、馬術部員として素質に関わってくると思います。
使役の代表的な仕事を難易度が低いと思われる方から順に並べてみました。難易度をつけるのは難しいのであくまで参考程度です。ちなみに、赤字は中仕事で、青字は外仕事です。
使役は、騎乗技術に直結するわけではないので、好まない人もいます。ただ私は、馬術に関する様々な知識が学べたり、大会運営の裏側を知ることで、結果的に大きく成長できたと感じています。最初はめんどくさかったり、きついと感じる人も多いと思いますが、どんなものかわかるまで少しだけ頑張ってみてください。きっとためになります。
ちなみに、一般的には使役というと上記のようなものを指しますが、競馬場での引き馬バイトなども使役に含まれます。その他、地域特有のものなどもあって、私はお祭りに手伝いで参加したりしました。そういう独自性を楽しむのもいいですよ!
馬と分かち合う喜怒哀楽
嬉しかったこと
ここからは私の個人的な思い出をもとに、馬術部に入ってよかったことや逆につらかったことも書いてみようと思います。
まず、私にとって一番大きかったのは、相棒の存在です。
スポーツにおいて、例えばテニスなどでダブルスを組む相手は相棒と言えると思いますが、馬術においてのパートナーは馬という言葉を喋らない全く別の生き物です。乗る側の人間は、馬術をやりたくて乗っているでしょうが、馬にとっては当然そんなことはありません。
はっきり言って、「やらされている」わけです。
そんな中で、たいていは「人間が」満足するだけの乗り方になってしまいます。
いい演技ができたと「馬が」実感してくれることは本当にごくごく稀です。
私は馬術部時代に、相棒が満足してくれたと感じたことが2回ほどあります。
1回目は、表彰台にのぼったことすらなかった私が初めて優勝した2年生最後の大会。そして2回目は、準備運動から本番まで全てにおいて指導陣の力を借りずに試合に臨んで3位入賞した3年生の冬の大会。
演技が終わった後に相棒の顔を見ると、鼻息を荒くしながら誇らしげにこちらを見ていて、勘違いなのかもしれないけれど、本当のところは彼にしかわからないのだけれど、涙が出るほど嬉しかったのを覚えています。
馬乗りでない人にはあまり理解されないかもしれないですが、演技をしているとき、「かっこいい自分を見て!」という気持ちはほぼありません。スポーツは多かれ少なかれナルシストになるような一面があると勝手に思っているのですが、馬術に関していえば私は自分を見て欲しいとは思いませんでした。
むしろ、「私の自慢の相棒を見て!」という気持ちでいっぱいなんです。
そんな中で取り組む演技で、大事な大事な相棒が、自分と演技をしたことに少しでも充実感を感じてくれていたら、これほど嬉しいことはありません。
馬術部に入る前の、馬と接したこともない皆さんには、どうしても伝わらないことだとは思います。ただ、真摯に愛馬と向き合い続けた先には、他のどこででも得られない感動があるのだと頭の片隅に覚えておいてもらえると幸いです。
きつかったこと
喜びを与えてくれるのも馬であれば、苦しみを感じるのも馬と共にあるときです。
世界のトップ選手でもない限り、満足に乗れることなんてほぼ1日もありません。もちろん、毎日小さな目標をクリアしながら練習を進めて行ったりするわけですが、私の場合は毎日毎日「なんで自分はこんなに下手くそなんだろう」と落ち込むばかりでした。そして、「下手くそ」を一番近くで伝えてくれるのは、指導してくれている監督や先輩ではなく、相棒そのものです。
自分が大好きな存在に、言葉ではなくとも、否定され続けることは、自分が下手なのが悪いとはいえ、かなりショックです。それでも毎日「明日はもっと上手くなるからね」と声をかけながら手入れをさせてもらい、なんとか仲直りをします。
この苦しみは、馬や馬術と真剣に向き合えば向き合うほど、大きくなると思います。
ただやはり、この苦しみがあるからこそ得られる喜びがあります。
どうか、これから馬術に向き合う人には、そこを乗り越えてくれたらなと勝手ながら願っています。
つらかったこと
愛馬との別れです。
経験せずに引退まで続けられる人もいますが、自分の愛馬ではなくても他大学の馬で関わりがあった子なども含めると、在部4年間の中で馬の死と向き合うことは何度もあると思います。徐々に具合が悪くなることも辛いですが、昨日まで元気だった子の容態が急変してしまうこともあって、感情の行き場がなくなったりもします。
あまり長く語れることではありませんが、馬術部に入った以上、おそらく避けては通れません。そこをある程度、覚悟の上で入って来て欲しいと思います。
大会関連・試合
馬術部に入りたい方の中には、たんに馬とふれあうだけでなく大会などに出場することを夢見ているかと思います。正しい方法で技術を磨いて大会に出場することは、馬との関係を深めていく近道でもあるので私もおすすめです。
とはいえ、入部もしていない時点で大会について想像なんて、難しいですよね。ここでは、乗馬クラブなどとは少し違った、学生馬術独自の大会なども紹介するので参考にしてみてください。
三大大会と選手権
一般の馬術の世界では、乗馬ライセンスというものがあります。大学馬術部の世界にもそれはあって、管轄が学生馬術連盟なので分類が少し違いますが、SA級というライセンスがあり、これを持っていないと大きな大会には出られません。初心者から始めた場合は、2年生になった頃に取得することになると思います。
大きな大会ではなく、学生の非公認の試合などはSA級を持っていなくても出場できるので、そういった大会や部内試合などで経験を積みながら取得を目指していく人がほとんどでしょう。
そして、馬術部員が大きな目標としている大会が2つあります。
全日本学生馬術大会:通称三大大会。人馬のペアで出場する。学生が参加する大会では難易度は最高レベル。馬場・障害・総合それぞれあり、長年ペアを組んできた馬と息の合ったパフォーマンスを見せる。
全日本学生馬術(女子)選手権大会:通称選手権。一般的に、選手権大会に男子、女子選手権大会に女子が出場するが、選手権大会に女子が出場することも可能。貸与馬戦という、自分の普段乗っている馬ではない馬に当日初めて乗って、いかに乗りこなせるかを競う。最初は馬場課目で競い、上位進出すると障害課目との合計点で勝敗が決まる。
どちらも、春から夏にかけて行われる地方予選を勝ち抜いた選手、もしくは人馬が出場できます。全国大会は、例年秋から冬にかけて行われます(近年はオリンピックに向けた東京馬事公苑の改装やコロナ禍でイレギュラーが起こっています)。
馬術というと、どうしても難しいイメージがあって、初心者から始めても試合で活躍するなんてできないのではないかと思われるかもしれませんが、なんといっても馬術はマイナースポーツ。競技人口が少ないので、他のスポーツよりもその点での難易度は低いと思います。
特に、経験者は関東や関西の私立大学に集まるので、それ以外の地区に所属していれば、初心者でも大きな大会に出ることは十分可能です。私が女子選手権で全国大会に進出した時は、勝ち抜いた4人のうち3人が大学から馬術を始めた選手でした。
現在(2021年)、私立の強豪日本大学が大学馬術界を席巻しています。大きな大会では、赤い服を着た日大生が会場中にいる光景が見られます。日大はOB会も強く影響力があります。その他にも、関東の私大は基本的に強豪校です。
他の馬術部との関係
馬術部員になれば、自由に使えるほとんどの時間を馬に費やすことになるので、学部やバイト先の友達と部員以上に仲良くなることはもしかしたらむずかしいかもしれません。
そのかわり、他大学の馬術部員とは想像以上に仲良くなれると思います。
似たような境遇で、しかし異なる状況にいる人とは仲良くなれたりしますよね。大会や使役などで顔を合わせるメンツは大体同じですから、そういう機会に知り合いになっていきます。お互いに同じような悩みを抱えていたりしますし、会う度に悩みを共有していたりすると、4年もたつとすっかり仲良くなっています。大学間で交流試合をしているところもあります。
馬術部を選ぶ4つのポイント
ここまで読んできて、ある程度大学馬術部の実態がわかって頂けたかと思います。
その上で、もし馬術部という観点だけで進学する大学を決めるのならば、以下のことを念頭におきながら決めていくことをおすすめします(もちろん、実際はその他の学問や雰囲気などとバランスよく考えてくださいね)。
練習環境
限られた練習環境の中で頑張って成績を残している馬術部をいくつも知っていますが、大会など本番でいきなり広い馬場に連れてこられて緊張してしまう馬も少なくありません。広かったり、きれいだったりすることにこしたことはないのでチェックしてみましょう。
もう一つ、大事なのは厩舎がどこにあるかです。
大学に併設している場合もあれば、少し離れた場所にあったり、大学とは関係ない乗馬施設に馬を預けている場合もあります。遠くの馬場に通うのが苦にならない人は気にしなくても大丈夫ですが、朝が弱い人などは、SNSで様子を見たり、入学してから先輩に聞いてみるといいでしょう。
練習内容
案外、知らない人が多いですが、練習内容は所属する大学馬術部によって大きく異なります。
そもそも、大学馬術で扱う種目は3つあります。
(詳しくはこちらで解説していますので参考にしてください。)
- 馬場馬術(dressage):馬のフィギュアスケートと呼ばれ、20m×60mの長方形のアリーナの中で、馬の様々なステップや図形を描くような動きの正確性と美しさを競う。
- 障害馬術(jumping):競技場内に設置された障害物を、決められた順番通りに飛び越し、より少ないミスでゴールすることを競う。
- 総合馬術(Eventing):同じ人馬のコンビで、3日間をかけて馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の3種目を行い、その総合評価で競う。
実は、全ての馬術部が、この3つをやっているわけではありません。練習環境や指導者のタイプによってこのうちのどれかだけ、もしくは二つだけを選んでやっている場合があります。
特に総合馬術は、特殊な練習環境が必要で、練習しないところもあります。また、強豪校であっても一部の選手しか練習できないということもあります。絶対に総合馬術をやりたいという強い意志がある方は、その点を必ず確認しましょう。
聞いた話では、男子は障害馬術、女子は馬場馬術、というふうに最初から選べないところもあるといいます。
指導者
指導者が大事なのはどのスポーツにも言えることですが、馬術においてはその特性上、他のスポーツとは違った意味で重要になってきます。
例えば、サッカーではプロ選手が使ったボールを素人が使っても突然プレーが上手くなったりしませんよね。しかし、馬術では上手い人が乗った馬にその後乗ると実力以上のパフォーマンスができるのです。
馬が背中で感覚を覚えている、といった言い方をします。
とにかく、上手い指導者(指導が上手いだけでなく、騎乗技術もある人)がいれば、その後に乗って練習することができるので、上達も早くなりやすいです。
もちろん、性格的な相性も非常に重要になってきます。
可能であれば、どんな方が日頃指導しているのか確認してみてください。ちなみに、近くに住んでいるOBOGが練習を見に来てくれているということもよくあります。
部員数
部員数もとても大事です。
所有馬が多くて部員数が少なければ、馬の管理が大変になります。ただ練習時間はたっぷりもらえるので上達は早いです。
逆に、所有馬が少なくて部員数が多ければ、仕事の分担ができて楽ですが、その分一人当たりの練習時間は減ってしまうのでもどかしく感じることもあると思います。
大学から馬術を始めた私の実感としては、一頭あたり2〜3人がちょうどいいかなと思っています。さすがに、初心者の1年生の頃は先輩についてもらわないと危険なことをしてしまう可能性もありますし、何人かで同じ馬に乗っていれば情報を共有して高め合うこともできます。
自分にあったスタイルはどんなものか考えた上で、入りたい馬術部の状況(年によって大きく違います)と照らし合わせてみましょう。
それでも私が馬術部をおすすめする理由
ここまで、大学馬術部の実態を大解剖してきましたが、いかがだったでしょうか?
はっきり言って、きついです。
嬉しいことや楽しいことの何十倍もの苦しみがあると思います。
ただ、毎日の練習の中で挫折を繰り返して、その先で馬と感動を分かち合ったことは、少なくとも私にとってはそれまでの人生にはなかった素晴らしい経験でした。
そして、毎日が自分との戦いであるからこそ、日々の馬とのふれあいといった小さな出来事が大きな幸せとして感じられました。
癖の強い部員が集まることも多いですが、命と向き合う日々を通して一生ものの仲間を得られることができましたし、馬だけでなく人間関係も、狭くはありますが、充実したと思っています。
せっかく、この記事に辿り着いて、ここまで読んでくださったということは、大学馬術部への興味は十分にあるのだと思います。まずは、体験入部に行ってみてください。馬術という世界の扉の向こうで、あなたを心待ちにしています!