後輩が卒業する話

せシうだ
こんにちわ、せシうだ(@seshiuda6162)です。

(記事を読み始める前にこちらをどうぞ)

後輩が卒業する。

ご存知の方には、くどくなってしまって申し訳ないんですが、私は大学で馬術部に入っていました。

馬術部で学んだことは、本当に数えきれないほどあって、馬という存在にさまざまなことを教えてもらいました。

ただ、当たり前のことですが、馬がいなくても成り立たないけれど、人がいなくても成り立たないのが馬術部の活動というものです。

馬術においては、馬:人=7:3(数字は人によっていうことが違いますが、つまり馬の方が比重がだいぶ大きいということです)のように言われます。ですが、馬術というスポーツ全体や部活動という意味では、人の力によって大部分が支えられています。

馬乗りは、馬を溺愛するあまり、自分のことが疎かになったり他人に厳しくあたったりする人もいますが、やっぱりなんやかんやいっても「人」は大事です。

そんな中で、私が感謝している存在の一つに、後輩たちがいます。

イケてるキャンパスライフとは程遠い馬術部生活。
しんどいことがほとんど。輝ける瞬間なんて一瞬。

こんな中で、誰かの下について過ごすことだってストレスの一つになり得ます。私の後輩であり続けてくれただけでもありがたいのに、私は後輩たちから本当にたくさんのものをもらいました。

そんな後輩たちが、この度卒業します。

これは、彼らの卒業に向けての私の想いを綴った文章です。

目次

邪魔だった

一年生の頃は何も考えなくていいので、楽しい一色でした。

最初だけは飲み込みも早かったので(単に馬への恐怖心がなかっただけなんですが)、とんとん拍子で上達し、先輩にも褒めてもらえて、毎日新しいことだらけ。

それが2年生になると、後輩たちが入ってきて、見える世界が一気に変わることになります。

まず、後輩が入ってくると自分が馬に乗れる頻度が減りますし、なにかと教えてあげないといけなくて面倒でした。
生き物を扱う活動なので、内心どう思っていたとしてもしっかり指導することからは逃げられない。そのイライラが後輩に伝わっていたんじゃないかと思います。

自分が上手くなるために使いたい時間を他人のために使うのが嫌だったんです。私、最低でした。

「入ってくんな!!!!邪魔!!!!」と思っていたんです。本当に最低です。

私がかなり未熟だった、2年生の頃に後輩として入ってきてくれた、つまりは一個下の後輩には本当に申し訳ないことをしました(一個下の後輩は大学院に進学したのでまだ学生として頑張っています)。

それって、ダサいんじゃないか

これは本当にたまたまとしか言いようが無いんですが、あるとき私は「自分のもっているもの(技術や知識)を自分だけで独り占めしていることってめちゃくちゃダサいんじゃないか」と気づくことができました。

どうしようもなく自己中心的な私が、なぜそう思い至るようになったのか。何かきっかけがあったのか覚えていませんが、やはり大きかったのは、育ててくれた先輩の存在馬のためというのがありました。

2学年上に私がとても尊敬しているS先輩という先輩がいたんですが、S先輩も卒業が近づくにつれて、後輩にたくさんのことを引き継いでいこうとしているのを感じていました。2学年上のS先輩が卒業したということは(大学は4年間なので)、自分も、入学してからの年月より卒業するまでの年月の方が短くなっていっているということになります。

先輩の真似事をしようとしていたのか、残された時間が少ないと自覚すると、「このまま後輩モードのままではいけない」という焦りが出てきました。

さらに、大学馬術部に所属できるのは4年間で、その期間が過ぎれば大好きな馬に対して、何も責任を負わない立場になります。

それは、馬を愛する人間にとってとても悲しいことです。

自分と馬との関係が、部活動というものを通してしか繋がっていなかった、そういう事実を突きつけられるからです。

その事実を認識すると、自分が持っているものをただ持っているだけにしていても、意味がないんだと、当たり前のことに気づきました。

死ぬ間際にいっぱい財産を持っていても意味がない、みたいなものですかね。(笑)

自分の大事な馬が、これからも元気で活躍してくれるためには、後輩たちに自分の持っているものを余す所なく伝えていかないといけません。

そのことに、2年生の終わりになってようやく気づきました。

あげたつもりが、もらっていた

何ができるんだろう。私ってどう思われているんだろう。

後輩との接し方なんて考えたこともなかったし、考えるまでもないと思っていた最低先輩だったので、3年生になってからはとにかく悩みが尽きませんでした。

でも結局、私が持っているものなんて大したものじゃない。

できることをやる。あげられるものをあげる。それしかないか。

私は、直接話すときつい言葉も言ってしまうど直球人間です。なので、メッセージを送ることにしました。

まず褒める。

指導を受け入れてもらうことが一番の目的なので、頭ごなしに怒らないように心がけました。それに、無理矢理にでも褒めるために一人一人のことをよく考えると、見逃していたその子のいいところがわかるようになってきました。

そしてそれは、私にはないところばかりでした。

「この子ってここが得意なのか!」、「もっとこうしたら伸びるかもしれない」、そんなことを思えるようになって、後輩の成長が自分ごとのように嬉しく感じるようになりました。

子供と関わる方がよく、「私の方が教わっている」というようなことをおっしゃいますが、同じようなことを私は後輩に対して強く感じました。

人のために動くってこんなに嬉しいものなのか

動物に対してなら素直になれるかもと思って馬術部に入った私が、馬を通して「ヒト」と深く関わることを覚えたのは奇跡のように感じました。

後輩に対する感情で自分でも驚いたのが「私より上手くなってほしい」と思うようになったことでした。

私はとにかく馬が好きで、馬術が好きな人間ですが、自分が一番その魅力をわかっていたいと願う自己中な人間だったので、まさかそんなことを思うようになるなんて想像もしていませんでした。

でも、もっと馬や馬術の魅力を知る人間が増えたら、きっと楽しいことになる!そんなふうに馬の世界のことまで考えるようになったのは、私にとって、一つ上のステップの人間になれたような感覚でした。

そしてそれを教えてくれたのは、まぎれもなく、後輩たちでした。

ずっと頼ってくれることの嬉しさ

卒業してから、特に慕ってくれていた後輩から、ことあるごとに連絡がきました。
(在学中のこととはいえ、ちゃんと報告するように指導したのは自分なので、当たり前といえば当たり前なんですが(笑))

OGとしては、卒業しても忘れずに頼ってくれることはとても嬉しかったです。

同時に、同じようなことをしていた自分も思い出しました。
私も、先輩がいなくなって、頼るべきものがなくなったことが寂しくて、壁にぶつかる度にS先輩に電話していました。

そして、そんな私に対して、先輩が嬉しそうにしてくれて、全国大会出場が決まった時は泣いて喜んでくれました。

私もここまで来たんだなあ

2020年。
後輩が4年生になって、さあ実力がやる気に追いついてきた、となった矢先にコロナウイルスが世界中を襲いました。

誰のせいでもない、世の中の事情。ぶつけようのない戸惑い。
何がしてあげられるのかが全くわからなくて、途方にくれて、しばらく連絡できませんでした。

動くことが誰かを傷つけることにつながる、というジレンマはこの年、多くの人が経験したことだと思います。

結局私は、在学中と同じように、自分の思っていることを素直にメッセージで伝えました。

本当になんのためにもならない、なんなら私の罪悪感を消すためのようなメッセージかもしれないのに、後輩は喜んでくれて、私が思っている以上に前を向いていました。

いつもいつも私が励まして、背中を押してきた後輩が、こんなに前を向いて頑張っている

社会人として自分がどこに立っているのかよくわからなくなってきていたその頃の私にとって、後輩との交流はむしろこちらが勇気をもらうことになりました。

またしても、私は後輩にから教えてもらいました。

コロナ禍で混乱した2020年。
例年通りとはいかなかったものの、全国大会やそれに代わる大会が開催され、後輩たちはとても優秀な成績を残して笑顔で引退しました。

おめでとう

後輩が卒業します。

納得のいく大学生活を送れたかな。ちゃんと毎日を楽しめたかな。

そう思いながら、新幹線の中でこの文章を書いています。だいぶセンチメンタルな先輩です。(笑)

私が今住んでいる岩手から、母校がある長野まで。後輩の卒業式のためにわざわざ!?と思われるかもしれませんが、私にとってはなにも違和感がないことです。

心から祝えるだろうな、と思えることが、私に私を好きでいる自信を与えてくれます。

明日の卒業式、後輩たちの晴れの姿を目におさめるのが楽しみです。

4年間、走り続けたみんなへ。

おめでとう。
ありがとう。
おめでとう。

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はじめまして、管理人のせシうだです。
好きなことは馬と農業です。

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